酒蔵による山田錦の栽培     なぜ我々は米を育てるのか。

当蔵は昭和62年より山田錦の自家栽培を行って参りました。
 

1.自家栽培の重用性
 山田錦は優れた酒造好適米です。しかし、農協から購入した場合には、品種と等級は指定できても品質には微妙な差があります。特に問題なのが、山田錦は大粒米が良いとされるために、小米が多い低品質の田に少量あった大粒米が、米選機を通った後で特等米に混入することです。混入した米は、本来は同じ田で収穫された多くの小米同様に品質の悪い米です。しかも、収穫量に対して特等米の比率が低いことを考えると、かなり現実の問題です。私たちは、粒の大きさよりも米の「育ち」の方が重要だと考えています。すなわち、どのような田で、どのように育てられ、どのくらいの反収量だったか、などです。

2.原料にこだわる理由
 たとえば、おいしい料理をつくろうとどんなに努力しても、素材が悪ければすでに半分失敗しているようなものです。酒造りも同じで、原料米が悪ければ筋の良い酒は造れません。さらに、どの田んぼで栽培するかで、原料米の品質も決まってきます。日照や水利環境の影響は決定的で、農家の努力だけで克服できるものではありません。私たちは、今後到来する米の国際化時代に備えて、産地形成のみが確かな原料確保への道であると考えています。そして、現在主流となっている農薬と肥料を多用して収量を追求する育て方とは一線を画し、稲自身が持つ生命力を引き出す「三黄」の稲作りに取り組んでいます。

*「三黄」とは
 美味しいお米を育てる秘訣として、稲を3度栄養不良で黄色に枯れさせること。第1回が、苗が田植えをする直前で、栄養不良になり黄色く染まり、第2回目は、8月初旬に幼穂形成期に穂茎へ栄養が供給されすぎないように黄色くして、最後第3回目は刈り取りで、綺麗な黄金色に仕上げる。 枯れるように黄色くするというのは誇張した表現ですが、大半のお米が、正反対の不健康な青さで、柔らか過ぎる栽培を見かけます。

 とりあえず、まだ至らぬ点が多々ございますが、お含み置きの上、ご一読いただければ幸いです。今後とも宜しく、ご指導ご鞭撻お願い申し上げます。


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■米作りの日記■